映画「スキャンダル」あらすじ・ネタバレ感想 実話を基につくられたスリルな逆転劇!! - 山の生活
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映画「スキャンダル」あらすじ・ネタバレ感想 実話を基につくられたスリルな逆転劇!!

映画

写真:公式HPよりhttps://gaga.ne.jp/scandal/

判断は鋭く、叫びは堂々と、行動は果敢に!!シャーリーズ·セロン、ニコール·キッドマン、マーゴット·ロビーの最大権力を打ち破る爆弾宣言によるスリルな逆転劇!!

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2019年に公開されたジェイ·ローチ監督の11作目の長編演出作であり、超豪華キャスティングで話題になった”スキャンダル”は、2016年、アメリカのFOXTVの人気アンカーが会長ロジャー·エイルズを告訴した実話を、基に作られた映画です。

”スキャンダル”ストーリーの土台となる、FOXニュース会長ロジャー·エイルズのセクハラによる2016年の不名誉な退陣、映画でも言及されるアンカー、ビル·オライリーの2017年のセクハラ解雇事件後に明らかになったもう一つの事件であるこの映画の主演に、”マッドマックス 怒りのデス·ロード”(2015)のシャーリーズ·セロン、”アクアマン”(2018)のニコール·キッドマン、”スーサイド·スクワッド”(2016)のマーゴット·ロビーの3人、そして”インターステラー”(2014)のジョン·リスゴーが熱演し、強烈な印象を与え、期待感を増しています。また、シャーリーズ·セロンは、本作の製作者でもあります。

<権力の上の権力>アメリカ最大のテレビ局を一発で倒した爆弾宣言、その中心に立った女性達の痛快で、刺激的な逆転劇”スキャンダル”は、アカデミー賞、ゴールデングローブ賞、世界有数の授賞式の演技部門で、独歩的なレースを繰り広げた3人の女優の演技呼吸を予告し、早くから期待を集めて来た作品で、第92回アメリカアカデミー賞授賞式で主演女優賞、助演女優賞にノミネートされました。更に、オスカーでは扮装賞を受賞しました。

映画の中で、女性として受ける不当性に対抗して、FOXニュースの会長ロジャー·エイルズを告訴したグレッチェン·カールソンの消息は、各種メディアでヘッドラインとして扱われます。ロジャー·エイルズは、あえて触れる事の出来ないメディア界の大物であり、自分の影響力と資源を活用して、どの敵でも倒す準備が出来た人物だった為、こうしたグレッチェン·カールソンの爆弾宣言は、FOXニュースを越えて、全米をひっくり返すに十分でした。勇気を出して、声を高めた彼女の行動は、その後、新たな変化の起爆剤となります。映画の中心に立った3人の女性が、それぞれ違う位置から、それぞれ違うやり方で、不当な権力に立ち向かい、最後まで目を離せなくする痛快で、刺激的な逆転劇が誕生しました。

映画公開後、シャーリーズ·セロンが演じたメーガン·ケリーが、被害者達にインタビューを進行したり、ニコール·キッドマンが演じたグレッチェン·カールソンは、<私はこれ以上沈黙しない事にした>という本を出版したりもしました。マーゴット·ロビーが演じたケイラは、仮想の人物と推定されます。ロジャー·エイルズは、23人の女性が性的暴行の疑いを提起し、2016年7月に辞任しました。この事件でグレッチェン·カールソンは、職場におけるセクハラ及び女性人権活動のアイコンとして浮上し、2017年タイム誌選定の<世界で最も影響力のある100人>に挙げられています。

 

スタッフやキャスト

脚本:シャーリーズ·セロン / ジェイ·ローチ / A·J·ディックス / ベス·コノ / チャールズ·ランドルフ / マーガレット·ライリー

監督:ジェイ·ローチ

音楽:セオドア·シャピロ

主題歌:Billie Eilish / Bad Guy

登場人物 / 役者

メーガン·ケリー / シャーリーズ·セロン

グレッチェン·カールソン / ニコール·キッドマン

ケイラ·ポスピシル / マーゴット·ロビー

ロジャー·エイルズ / ジョン·リスゴー

ベス·エイルズ / コニー·ブリットン

ジェス·カー / ケイト·マッキノン

ダグラス·ブラント / マーク·デュプラス

ギル·ノーマン / ロブ·ディレイニー

ルパート·マードック / マルコム·マクダウェル

スーザン·エストリッチ / アリソン·ジャネイ

エインズリー·イアハート / アリス·イヴ

ジュリア·クラーク / ブリジット·ランディ=パイン

リリー / リヴ·ヒューソン

ジェニー·ピロ / アラナ·ユーバック

マーサ·マッカラム / エリザベス·ローム

ショーン·ハニティー / スペンサー·ギャレット

アビー·ハンツマン / アシュリー·グリーン

イレーナ·ブリガンテ / ブルック·スミス

ブレット·バイアー / マイケル·バイー

ルディ·バフティアル / ナザニン·ボニアディ

キンバリー·ギルフォイル / ブリー·コンドン

ジュリー·ロジンスキー / アーナ·オライリー

ニール·ミューレン / スティーヴン·ルート

 

スキャンダル あらすじ

2016年、アメリカニュース放送局で、視聴率NO.1を誇る”FOXニュース”に激震が走った!!クビを言い渡されたベテランキャスターのグレッチェン·カールソンが、TV業界の帝王と崇められるCEOのロジャー·エイルズを告発したのだ。騒然とする局内。看板番組を背負う売れっ子キャスターのメーガン·ケリーは、自身の成功までの過程を振り返り、心中穏やかではなくなっていた。一方、メインキャスターの座を狙う貪欲な若手のケイラは、ロジャーに直談判する為の機会を得て–。

https://gaga.ne.jp/scandal/

 

スキャンダル ネタバレ感想

被害女性達の連帯を簡単に描く代わりに、彼女達と距離を置きながら、被害者女性キャラクター達の立体的な面々を見せながら、彼女達が暴露をためらうようになる力学関係を詳しく描いています。

その結果、世の中を変えるのは誰かによって、植え付けられた基準で判断される無欠な人間達ではないという当然だが、説明しがたい命題を成功裡に伝えています。

何より彼らの暴露後、ハリウッドがハービー·ワインスタインを映画界から追放させ、フェミニズムとMe Too運動が全世界に拡張したという点を考えた時、FOX社の女性達の勇気は、自分の国の状況とも、しっかり結びつく時宜に適った意味を持ちます。

 

まず、カリスマのあるリーダーシップで<トランプとの相槌>も厭わないFOXニュースの看板アンカー、メーガン·ケリー役は、作品毎に信頼出来る演技、独歩的な存在感でスクリーンに溶け込む変身の鬼才シャーリーズ·セロンが演じました。シャーリーズ·セロンは、メーガン·ケリーというキャスター役を演じた事について、「漏れなく調査し、イントネーションの練習を行った。撮影が始まった時からは本当のメーガンになりたかった」と記しています。

実際にシャーリーズ·セロンは、数多くのインタビューを分析し、イントネーションのある指導者と練習をし、車で聞く音源まで気を使いながらメーガン·ケリー役に夢中になり始めたといいます。演出を担当したジェイ·ローチ監督も、「シャーリーズ·セロンは、メーガン役に110%で自分自身を投げた。眠る時間まで削りながら、早くセットに来て毎日3時間ずつ特殊メイクに耐えた。シャーリーズ·セロンは、鏡を見ながら観客が自分ではなく、メーガン·ケリーが言うように感じなければならないと話したりもした。」という言葉で、実在の人物ベースのメーガンというキャラクターに、完璧に変身する為のシャーリーズ·セロンの努力と情熱を伝えました。

監督は、「シャーリーズ·セロンは技術は優れているが技術について考えない。真実だけを考え、その人物になる」と言って、彼女への賛辞と尊敬を惜しませんでした。

 

一方、勇気ある爆弾宣言で全国ニュースのヘッドラインを飾る事になる最初の内部告発者グレッチェン·カールソン役は、99以上の演技賞受賞歴に輝く演技の神ニコール·キッドマンが演じました。ニコール·キッドマンは、作品に合流するや否や、自分だけの方式で人物を掘り出し始め、変化に富む心理とユーモアを人物に盛り込みました。製作陣によると、彼女は多くのアイディアを直接提案して、作品のディテールを生かしたそうです。

ジェイローチ監督は、「ニコール·キッドマンには優れた叙事的本能があり、彼女は観客に人物をどのように伝えるべきか正確に知っていた」と伝え、「テイクに行くたびに同じように演じる事がなかった。ずっと新しい試みをするのに、見せてくれる度にリアルに感じられた」という言葉で、彼女だけのキャラクター解釈と演技に、驚きを示しました。

実際にニコール·キッドマンは、「グレッチェンの話は変化を作る過程の中で、彼女が何に抵抗しなければならなかったのかに集中する」とし、自身が演じたグレッチェンを通じて、映画が進むべき方向が何なのか、映画の中でグレッチェン·カールソンを通じて、話したい事が何なのかを、明確に表明しています。

 

テレビ局の新しい顔を夢見る人並み外れた覇気のニューフェイス、ケイラ·ポスピシルの役は、世界的に人気を博しているマーゴット·ロビーが演じ、一風変わった演技を披露します。ケイラは、憧れのメーガンとグレッチェンに追いつく為に、何でもする意欲的な新人キャラクターです。”スキャンダル”についてマーゴット·ロビーは、「目の前で起きる仕事に、正直で予測不可能な方式で反応した映画の中の人物を探求しながら、脚本家チャールズ·ランドルフがテーマに接近した方式に、心から感銘を受けた」と伝えました。

ジェイ·ローチ監督は、マーゴット·ロビーの徹底した準備性に舌を巻いたといいます。ジェイ·ローチ監督は「マーゴット·ロビーはとても分析的だった。初対面で全ての場面を色で表示しながら区別し、全てのセリフに手でメモを書いて持って来た。質問を沢山準備して来たが、質問がとても良くて、脚本家と私はマーゴット·ロビーの質問が、人物をより深く探求するのに大きく役立つと考えた」と明らかにしています。

更に撮影が始まる頃、マーゴット·ロビーはケイラの裏話を細かく作って来たといいます。監督は、「60代までケイラの職業を含め、全体的な未来を考えて来た。その徹底さが良かった。それでもカメラの前では、胸から湧き出る、はっきりした感情を込めて演技した」と絶賛を送りました。

 

そして、3人の主演女優達と呼吸を合わせた名優軍団の中で、最も目立つ人物は映画のもう1人の主人公とも言えるロジャー·エイルズ役のジョン·リスゴー。<言論権力の帝王>と呼ばれるFOXニュースの会長ロジャー·エイルズは、自らの希望に応えて従業員を操縦し、現在のFOXニュースを育てた複雑で多面的な人物です。ジョン·リスゴーは、このようなキャラクターを貫禄ある名品演技で表現し、映画の没入度を高めるのに大きな役割を果たしました。

特に彼は、実際の人物との高いシンクロ率において、シャーリーズ·セロンと共に、指折りの特殊メイクで見る人々に驚きを与えています。ジョン·リスゴーは、撮影前からロジャー·エイルズの長年の知人を通じて、人物を調査し分析しただけでなく、俳優本来の顔が分からない程多くの特殊メイクをこなして来ました。彼は、多くの扮装の中で、発音など困難があったにも関わらず、自然な演技を見せたのはもちろん、ロジャーの歩き方など、外的な部分から権力者としての力を見せる表情、性格、話し方などロジャー·エイルズで、完璧に分解3人の主演女優達との場面を五分五分しながら、見る人々に劇の緊張感を逃さないでしょう。

ジョン·リスゴーは、シャーリーズ·セロン、ニコール·キッドマン、マーゴット·ロビーと共演した事について、「私が一緒に作業した最高のアンサンブルだった」と伝えながら「俳優として重要な何かに参加した気分がし、慣行を変える事が出来ると信じた素敵な瞬間だった」と作品に参加した感想を残しました。

更に、”ゴーストバスターズ”(2016)、”スパイ·フー·ダンプト·ミー”(2018)の主演で、世界の観客から愛されてきたケイト·マッキノンが、ケイラの同僚ジェス·カー役を演じ、映画のもう一つの魅力ポイントを生み出しました。

ジェスは、保守系メディアの中心であるFOXニュースに勤務するが、実はヒラリー·クリントンを支持する同性愛者キャラクターで、新入社員であるケイラにFOXニュースのやり方を教え、助言する事で彼女と近い関係になります。

ケイト·マッキノンは、自身が演じたジェスのストーリーについて「ケイラが現れるとジェスは密かにケイラを味方につけ、自らが考えるフォックスの形勢を物語っている。2人の友情は妙ながらもとても新鮮」と説明しました。映画の中で、ケイト·マッキノンとマーゴット·ロビーが作っていく固い関係は、”スキャンダル”のもう一つの面白さ要素になるでしょう。

それだけでなく、権力背後の権力、FOX王国の真の王と言える強力な人物ルパート·マードック役は、伝説的な英国俳優マルコム·マクダウェルが、ロジャー·エイルズの個人弁護士スーザン·エストリッチ役は、”アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル”(2017)でマーゴット·ロビーと息を合わせて、アカデミー助演女優賞を受賞したアリソン·ジャネイが演じて、期待を集めています。

 

そして、”スキャンダル”は、海外の有力メディアの爆発的絶賛が目立ち、全世界の授賞式で22件受賞、51件ノミネートを記録し、最高作を立証しました。

第92回米国アカデミー賞授賞式で、シャーリーズ·セロンとマーゴット·ロビーが、それぞれ主演女優賞と助演女優賞部門にノミネートされた他、扮装賞部門でオスカートロフィーを手にし、公開前からシャーリーズ·セロンを始めとする俳優陣の、実在人物完璧変身に注目が集まっています。

また、映画はガーディアン選定Top US films 2019、インディーズワイヤー選定2019年女性俳優達の最高の演技ベスト映画20、USウィークリー選定2019年TOP 10映画などにノミネートされ、海外有数のメディアから作品性が認められただけでなく、第73回英国アカデミー賞授賞式扮装賞受賞、第25回クリティックス·チョイス·アワード扮装賞受賞、第31回米プロデューサー組合賞(PGA)スタンレー·クレイマー賞受賞といった授賞式シーズンのこのような受賞行列の中で、”スキャンダル”は22部門での受賞と51部門のノミネートという物凄い記録を達成し、最高の話題作としての面貌を誇示しています。

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製作者と主演女優1人2役大活躍のシャーリーズ·セロン

“マネー·ショート 華麗なる大逆転”(2015)脚本家チャールズ·ランドルフX監督ジェイ·ローチといった完璧なチームワークで、印象的な作品を完成させた名制作陣の中に、メーガン役で熱演したシャーリーズ·セロンも、製作者として参加し、1人2役の大活躍を見せました。

”モンスター”(2003)、”あの日、欲望の大地で”(2005)、”アトミック·ブロンド”(2017)、”ロング·ショット 僕と彼女のありえない恋”(2020)などの作品でも、女優と製作者を兼ねたシャーリーズ·セロンは、”スキャンダル”の脚本を読んだ後、「今の時代の分水嶺になる重大な瞬間を強烈で鋭いドラマに盛り込んだ」と判断し、直ちにこの映画の製作に飛び込びました。

脚本家チャールズ·ランドルフは、「シャーリーズ·セロンは”スキャンダル”の最も重要な創作の動力だった。この映画が、誕生するのに核心的な役割を果たしました。優れた演技を見せながらも制作者として活発に参加し、全ての場面にメモをつけてくれた」という言葉で、彼女の情熱に賛辞を送りました。

彼女は、製作者としてこの脚本をスクリーンに完璧に具現してくれる人物で、大統領選挙を描いた映画”リカウント”(2008)、天才作家の驚くべき実話”トランボ ハリウッドに最も嫌われた男”(2015)など、政治的事件と実話を土台にした作品を扱って来て、自分だけのノウハウを凝縮して来たジェイ·ローチ監督を思い浮かべました。「ジェイ·ローチ監督と一緒にすれば、楽に自らを推し進める事が出来るようなの」と言う程、彼に対するシャーリーズ·セロンの信頼は強固であり、ジェイ·ローチ監督も同様にこのような彼女の信頼に応え、完成度の高い作品を誕生させました。

映画ファンを最もびっくりさせた人物はシャーリーズ·セロンでした。

映画の中の扮装は、単なるヘア&メイクではなく、実在の人物との100%シンクロ率の為のとてつもないミッションだったようです。誰よりも有名なスターを、また別の有名人物に変身させる為に、高度に熟練されたメイクアップ及びヘアデザイナーが才能を発揮しなければならず、この為に、”ウィンストン·チャーチル/ヒトラーから世界を救った男”で、ゲイリー·オールドマンをウィンストン·チャーチルに完璧に変身させて、アカデミー扮装賞を受賞した日本人のカズ·ヒロが、”スキャンダル”に合流して、特殊メイクを担当しました。

坊主頭にしたり、体重を増量するなど、作品毎に一風変わった変身を披露したシャーリーズ·セロンだったが、今回は、顔そのものが実際のメーガン·ケリーのように見えなければならず、毎日、厳しい扮装をこなさなければなりませんでした。カズ·ヒロは「シャーリーズ·セロンは、毎日3時間ずつメイクアップ椅子に座っていたが、これは完全にその人物になる事に専念したから可能だった」と伝えました。カズ·ヒロは、シャーリーズ·セロンをメーガン·ケリーに変身させる為、彼女のまぶた、鼻先、両顎などに保形物をつけ、実際にメーガン·ケリーの濃くて青い目を表現する為に、コンタクトレンズもつけさせました。

シャーリーズ·セロンは更に、ケリーと自分の鼻が違う事に気付き、この部分の修正を要請し、カズ·ヒロが3D印刷で製作した鼻栓を、毎日のように着用したまま演技を繰り広げました。シャーリーズ·セロンは、「カズ·ヒロは仕事に向けた価値観が私と同じだった。つまり、観客に自分の技術が見られないようにする。彼は厳然たる芸術家」とし、彼らの莫大な作業を観客達が、意識出来ないようにするまで、努力を続けた事を明示しました。

 

アカデミー賞第4回受賞衣装監督による臨場感を生かした衣装とヘアスタイルの世界

体に密着して、シルエットを強調する赤·白·青のワンピース、綺麗に伸びた足とハイヒールなど、映画の中でロジャー·エイルズが固定させたFOXニュースアンカーの外観を、スクリーンにそのまま再現する為に、映画界の伝説が出ました。12回アカデミー賞にノミネートされ、”SAYURI”(2005)、”シカゴ”(2002)、”アリス·イン·ワンダーランド”(2010)、”ファンタスティック·ビーストと魔法使いの旅”(2016)で、4回アカデミー賞を受賞した衣装デザイナーのコリーン·アトウッド。

コリーン·アトウッドは、FOXニュースの女性がロジャー·エールズ時代で見せてくれた、別名<ニュース衣装>をきちんと知っており、「焼けた肌、金髪の頭、強烈な色彩、体にぴったりするシルエット、露出した足が平均的な外見ではないと思った」と、如実に示しました。ここに、「FOXニュースのスターの一部は自分だけの習性を加えた」と付け加え、メーガン·ケリーは、こうした美学に洗練されたファッション感覚を加え、家族と一緒に暮らす日常では、落ち着いて整然とした衣装に身を包ませました。ニコール·キッドマンが演じたグレッチェン·カールソンの場合、FOXニュースから退社してからは、人々に見慣れた画面の中の姿より穏やかな姿で描いており、柔らかい色合いを用いています。一方、ケイラは仮想人物だからこそ、もっと自由に作業出来たというコリーン·アトウッドは、ケイラは野心的な人物だが、その後混乱した為、柔らかく純粋な色彩から始まり、不安定な都会的スタイルで、衣装の変化を与えたとしました。

そして、”ギャング·オブ·ニューヨーク”(2002)、“アーティスト”(2011)などの作品を作業したヘアデザイナーのアンド·モーガンも、45枚以上のオーダーメイドかつらで、映画のリアリティーとディテールを加えました。女性アナウンサーや記者の金髪、ストレートヘアなど典型的なヘアスタイルも、FOXニュース美学の象徴である為、”スキャンダル”のヘアは衣装と同じ位、重要だったのです。

そんな彼女らが必死に創り上げたファッションとヘアスタイルも、この映画だからこそ、華麗に表現されており、見所の一つでもあります。

 

撮影監督が誕生させたエネルギーと速度の頂点、ダイナミックな競争、策略、生存の王国

”スキャンダル”は、休む事なく流れるFOXニュースの内部に観客を連れて行き、その全てのエネルギーと速度、緊張感をリアルに感じさせます。これには、”ハート·ロッカー”(2009)、“マネー·ショート 華麗なる大逆転”(2015)などの作品を通じて、個性の強い撮影技法を披露したアカデミー候補出身の撮影監督バリー·アクロイドの功績が大きかったでしょう。

数年間、バリー·アクロイドが参加した作品を勉強して来たというジェイ·ローチ監督は、「彼の撮影は、時には俳優の心を読む事が出来るようで、ひいては俳優達より先に、次の何処へ行くかを分かっているようだった。彼の撮影を見る事は特別な経験だった」と、尊敬を表しました。

”スキャンダル”に合流したバリー·アクロイド撮影監督は、何よりも日常的なオフィススペースを、視覚的に躍動的な競争、策略、生存の王国に変えるミッションに直面しました。彼は「映画の多くの部分が視覚的に慣習的で息苦しく見える内部空間で起きるが、その空間を興味深く魅惑的に見えるようにするのがカギだった」と伝えました。このようなミッションの為に、バリー·アクロイドの代表的な撮影スタイルが必要でした。

人物に近付き、カメラがアクションに直接反応するようにするのです。バリー·アクロイドを始め、制作陣は数台のアリアレクサのミニカメラを活用し、複数の撮影技師らが、シーンの中で歩き回る事が出来るようにした。彼は、「事務室でカメラ一台で撮影すると、前にある以外は反応出来ない。私達は一層のエネルギーを必要としたので多重カメラを使用した。例えば一つはクローゼットに、もう一つは出入口に、もう一つは壁側に置く式だった」と述べました。

彼の撮影技術を通じて、制作陣は様々な観点で撮影されたシーンの中から、最も良い時期を選んで、更にエネルギーや緊張感、スピード感溢れる作品を作る事が出来ました。

メーガン·ケリー役のシャーリーズ·セロンがカメラを見つめながら、FOXニュースの各階とパートを紹介する独特なオープニングは、まるで、FOXニュースを紹介するテレビ番組のような新鮮な感じを与えました。これに対して、バリー·アクロイド撮影監督は「建物の外部と内部の場所と人物を紹介する、とても素敵な方式だった」と、自ら満足感を示しています。

バリー·アクロイド撮影監督のこのような努力は、映画の中でFOXニュースを誕生させ、ダイナミックなエネルギーと、一瞬たりとも離せない緊張感で、観客を引き付けるでしょう。

 

スキャンダル まとめ

本作は、米国を沸かせた言論界セクハラ告訴事件の実話の映画です。メーガン·ケリーとグレッチェン·カールソンの2人の女性アンカーが、ドナルド·トランプ米大統領とロジャー·エイルズ前FOX会長という巨大権力に立ち向かった話を再構成し、差別と不当な待遇が蔓延する職場内で、社会が傍観して黙認して来た歪んだ男性が、女性に対する残酷さを描いたストーリーです。

「これは始まりに過ぎない」という映画の最後のセリフのように、FOXニュース内で長期間起こった権力によるセクハラ事件の暴露は、以後様々な分野に隠れていた美闘運動の口火となりました。連帯と共感を通じて沈黙を破り、変化の時代を切り開いた勇敢な女性達の話を、興味深く慎重にリズム感を持って描いていました。

作中で、女性アンカー達が困難な権力を前に、爆弾宣言で最高の権力を吹き飛ばす痛快さも感じられます。最後に解任された権力も、裁判で告訴した女性アンカーも、皆多額の金で補償を受けるのが、非常に米国的でした。

米保守系メディアの特殊性や仮想キャラクターらの象徴性、事件を巡る実際の人物らの利害関係が絡み合い、きめ細かな劇的面白さを生み出しています。

シャーリーズ·セロン、ニコール·キッドマン、マーゴット·ロビーの演技は、ライバルの対決というよりは、恐るべき連帯と協力なのです。そして出演俳優全員が、非常に息が詰まる程忙しく、エネルギッシュに演技をしてくれました。

米FOX放送局が登場し、放送局の姿、文化も深層的に見せてくれます。そして、最高の女性看板アンカーなど同僚の女性アンカー、新入アンカーなどが経験するセクハラの過程を如実に表しており、映画が速く進行し、言葉も速く、放送局内部の話を盛り込んでいます。

今回の映画を通じて、米国の放送局の内部を見直す事になりました。全国放送界の男性、女性役職員達には、この映画がセクハラ実例教育、そして放送家の文化などを学べる映画になるでしょう。

社会に向かって突っ走る強力なストーリーの力がある映画だからこそ、前進する勇気をくれるメッセージまで、取り揃えた映画です。

誰かがしなければならないと発言し、世の中にロジャーの蛮行を明かそうと、進むべき道を見つめるグレッチェン·カールソン。FOXニュースとこの仕事を通じて生きており、自分が乗り出せば被害を被る仲間がいる為、真実の前で葛藤するメーガン·ケリー。FOXニュースでの野望はあるものの、彼を口実にセクハラを受け、先輩仲間の叫びに苦悩するケイラ·ポスピシルまで、映画はそれぞれの比重を持つように製作されました。

各自の多角的な視線が、彼女らの境遇と状況を、克明に現わしたエレベーターシーンは、特に圧巻です。

米FOXニュースの巨大権力を倒した女性達の宣言は、一つの意志に収斂されます。これ以上、沈黙しないという事です。

映画は、実在の人物を通じて、組織内外で男性権力がどのような不当なやり方で作動し、女性の体とキャリアを統制するのかを明確に見せてくれます。また、仮想人物を通じては、犯罪的要求の前に沈黙せざるを得なかった被害者の状況を、ありのままに見つめる事が出来ます。

複雑な局面の核心を正確に指摘する脚本、スピード感あふれる演出、ショート毎に感嘆を呼ぶ俳優陣の好演が調和をなしています。

この映画は、被害者が全ての面で完全無欠だと単純に言いません。連帯という言葉のように、容易ではないという痛恨の事実も、避けずに描き出します。

その一方で、暗黙の傍観に向けた忠告を忘れません。沈黙を選択する方が、犯罪と無関係な事ではないという事です。

最大権力に対抗して戦い、遂に、逆転劇で終わるようにした3人の女性アンカーに拍手を送ります。

 

 

 

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