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本物の名作もこのような名作はない!!ヒース·レジャーのメイクの裏に隠された悪党ジョーカーの存在がより輝いている!!
DCコミックスのキャラクターバットマンをベースにしたスーパーヒーロー映画で、ダークナイトトリロジー3部作シリーズの2番目の作品です。クリストファー·ノーランが監督、製作、共同脚本を担当し、叙事性と娯楽性を兼ね備えた、スーパーヒーロー映画史上最高の傑作と評価されています。タイトルはバットマンの別称であり、漫画”ダークナイトリターンズ”から取ったものです。因みに、タイトルに<バットマン>が入らない、初のバットマン実写映画です。
前作に引き続いて、”バットマン ビギンズ”(2005)のクリスチャン·ベールが、バットマン/ブルース·ウェイン役を演じます。そして、史上最強の悪党ジョーカー役には”ブロークバック·マウンテン”(2006)のヒース·レジャー、更に前作同様の、ジェームズ·”ジム”·ゴードン役には”レオン”(1994)のゲイリー·オールドマン、アルフレッド役には”TENET テネット”(2020)のマイケル·ケインなど、実力派俳優陣が続役で勢揃いしています。
クリストファー·ノーラン監督は、バットマンシリーズをこの作品で仕上げようとしたが、ワーナーブラザース経営陣に引き止められ、仕方なく3本作るという噂があるが、実はクリストファー·ノーラン監督は元々3部作として念頭に置いていたそうです。
バットケイブの設定からが、3部作の真ん中にあたる”ダークナイト”の位置を示しています。”バットマン ビギンズ”(2005)のバットケイブは、南北戦争まで遡る姿を見せてくれており、ブルース·ウェインがバットマンになる以前から存在していて、ウェイン家が奴隷を脱出させる善行の為に、建てられた場所です。ブルース·ウェインの行う善行の起源と見る事が出来ます。”バットマン ビギンズ”(2005)が、バットマンの起源から始まる事を考えると、この上なく素晴らしい設定です。
そして、過去のバットケイブとウェイン邸は崩れながら建て直すという強い暗示を通じて、シリーズのスタートを告げます。”ダークナイト”では、まだ未完成のままのウェイン邸と、暫く避難しているブルース·ウェインのペントハウス、未完のバットケイブとウェインインダストリー社有地に建てられた仮倉庫を通じて、バットマンの未完成を象徴し、バットマンというアイデンティティに対して、懐疑と疲れを感じながら、引退を考えるブルース·ウェインの苦悩を強調します。”ダークナイト ライジング”(2012)で、過去の先祖達の元に、現代的に再建されたバットケイブは、バットマンというヒーローの完成と持続性を見せてくれます。
スーパーヒーロー漫画の中の誇張で歪んだ人格の登場人物達が、今すぐ現実世界の何処かへ飛び出せば、まさにこのような姿になるよう、真剣な写実的な描写をしたのです。更に、その中でも原作キャラクターが持っていた個性を極大化する事に成功します。ティム·バートンの”バットマン”(1989)より、むしろ原作に近いが、必要ならば原作の設定を思い切って諦めたりもしました。
商業映画で初めて、6つの重要シーケンスをアイマックスカメラで撮影した作品です。”ダークナイト”以降、ジェームズ·キャメロン監督の”アバター”(2009)が大成功すると、アイマックスはハリウッドのブロックバスターの人気フォーマットとなるようになります。
肉編や血が飛び散る視覚的に残忍な場面は、等級問題の為、極度に制限されたが、ジョーカーやツーフェイスは人によって現実的に不気味な外見であり、ジョーカーのスナップビデオを始めとする作品に登場する様々な描写が、かなり現実的に感じられます。実際、映画館でジョーカーが出て鉛筆のマジックをすると、小学生が一様に静かになったり、ジョーカーが出て来ると、子供達が泣く現象が現れたそうです。
本作は、米国で2008年7月18日に封切られました。興行的にも成功し、歴代バットマン映画シリーズとしても、歴代漫画原作映画としても、最大の大ヒットを収めました。前作”バットマン ビギンズ”の好評とティム·バートンの1989年の”バットマン”で、大俳優ジャック·ニコルソンが見せてくれたジョーカーキャラクターの再発掘、ジョーカー役のヒース·レジャーの死亡など、様々な面で公開前から凄く話題になった映画です。封切り後も、作品性と興行性で両方とも認められ、クリストファー·ノーラン監督フィルモグラフィ史上最高の大ヒットを記録しました。
米国では、2007年に公開された”スパイダーマン3”の記録を破り、歴代最高のオープニング収入を上げ、公開初日に、最初の週末の興行記録を更新しました。結局、全米5億3,485万8,444ドルで海外から4億6,970万ドルを稼ぎ、全世界累積収入10億455万8,444ドルを記録し、”タイタニック”(1997)[18億4,290万ドル]、”ロード·オブ·ザ·リング/王の帰還”(2003)[11億1,992万ドル]に続き、歴代映画史上3番目の興行作となりました。特異事項としては、アメリカ本土の興行収入が海外からの収入よりも多い映画として、それに対する分析記事も出た程です。
2008年の最高興行作という単純な興行成績を離れて、作品自体の完成度も優れていただけに、無数の賞讃が溢れ、以降も最高のスーパーヒーロー映画として常に言及される映画です。
IMDB評点9.0、メタクリティック評点85点、Rotten Tomatoes評点95点です。
マスコミは、「08年の最高の映画だ」と賛辞を送りました。イギリスの映画雑誌<エンパイア>が、<過去最高の映画500>に選ばれた際、同年公開されながらも15位にランクインした事もあります。映画自体の力と、<ヒース·レジャーの遺作>という相乗効果で、ますます興行に成功したようです。
また、コミックス原作映画初のアカデミー演技賞受賞作であり、第81回アメリカアカデミー賞授賞式では、ヒース·レジャーが助演男優賞を受賞しました。
スーパーヒーロー映画史上初の10億ドル突破映画
歴代DCコミックス基盤の映画興行収入3位。
歴代ワールドワイドボックスオフィス36位
歴代北米ボックスオフィス10位
第81回アカデミー賞授賞式助演男優賞、音響編集賞受賞8部門ノミネート
第66回ゴールデン·グローブ助演男優賞受賞
第62回BAFTA助演男優賞受賞
2008 Hollywood Film Awards 受賞
2009 AFIアワード Movie of the Year
2009 グラミーアワード Best Score Soundtrack Album for Motion Picture
2009 MTV Movie Awards 最高のヴィラン賞
2008 ゴールデントマトアワード ベストアクション映画賞受賞
BBC選定の<米国の偉大な映画100選>のうち96位、<21世紀の偉大な映画100選>のうち33位。
スタッフやキャスト
脚本:クリストファー·ノーラン / ジョナサン·ノーラン
監督:クリストファー·ノーラン
音楽:ハンス·ジマー / ジェームズ·ニュートン·ハワード
主題歌:Hans Zimmer / Like A Dog Chasing Cars
登場人物 / 役者
ブルース·ウェイン : バットマン / クリスチャン·ベール
ジョーカー / ヒース·レジャー
ハービー·デント : トゥーフェイス / アーロン·エッカート
ジェームズ·”ジム”·ゴードン / ゲイリー·オールドマン
アルフレッド·ペニーワース / マイケル·ケイン
ルーシャス·フォックス / モーガン·フリーマン
レイチェル·ドーズ / マギー·ジレンホール
バーバラ·ゴードン / メリンダ·マックグロウ
ジェームズ·”ジミー”·ゴードン·Jr / ネイサン·ギャンブル
アンソニー·ガルシア市長 / ネスター·カーボネル
ギリアン·B·ローブ市警本部長 / コリン·マクファーレン
サリロ判事 / ニディア·ロドリゲス·テラチナ
アンナ·ラミレス刑事 / モニーク·ガブリエラ·カーネン
ジェラルド·スティーブンズ刑事 / キース·ザラバッカ
マイケル·ワーツ刑事 / ロン·ディーン
コールマン·リース / ジョシュア·ハート
マイク·エンゲル / アンソニー·マイケル·ホール
サルバトーレ·マローニ / エリック·ロバーツ
ギャンボル / マイケル·ジェイ·ホワイト
ラウ / チン·ハン
チェチェン人ボス / リッチー·コスター
トーマス·シフ / デヴィッド·ダストマルチャン
ドーピー / マイケル·ストヤノフ
グランピー / ダニー·ゴールドリング
ハッピー / ウィリアム·スマイリー
チャクルズ / マシュー·オニール
ロッシ / マイケル·ヴィオー
ナターシャ / ベアトリス·ローゼン
フリール裁判長 / パトリック·クリア
銀行支店長 / ウィリアム·フィクナー
ジョナサン·クレイン : スケアクロウ / キリアン·マーフィー
ダークナイト あらすじ
アカデミー助演男優賞を受賞した故ヒース·レジャーにより伝説的作品となったクリストファー·ノーラン監督による傑作!!
“覚悟せよ。度肝を抜かれる。”
ゴッサム·シティに、究極の悪が舞い降りた。ジョーカー(ヒース·レジャー)と名乗り、犯罪こそが最高のジョークだと不敵に笑うその男は、今日も銀行強盗の一味に紛れ込み、彼らを皆殺しにして、大金を奪った。
この街を守るのは、バットマン(クリスチャン·ベール)。彼はジム·ゴードン警部補(ゲイリー·オールドマン)と協力して、マフィアのマネー·ロンダリング銀行の摘発に成功する。
それでも、日に日に悪にまみれていく街に、一人の救世主が現れる。新任の地方検事ハービー·デント(アーロン·エッカート)だ。正義感に溢れるデントはバットマンを支持し、徹底的な犯罪撲滅を誓う。
資金を絶たれて悩むマフィアのボス達の会合の席に、ジョーカーが現れる。「オレが、バットマンを殺す」。条件は、マフィアの全資産の半分。しかし、ジョーカーの真の目的は、金ではなかった。ムカつく正義とやらを叩き潰し、高潔な人間を堕落させ、世界が破滅していく様を特等席で楽しみたいのだ。
遂に始まった、ジョーカーが仕掛ける生き残りゲーム。開幕の合図は、警視総監の暗殺だ。正体を明かさなければ市民を殺すとバットマンを脅迫し、ハービー·デントと検事補レイチェル(マギー·ギレンホール)を次のターゲットに選ぶジョーカー。しかし、それは彼が用意した悪のフルコースの、ほんの始まりに過ぎなかった..。
–https://warnerbros.co.jp/home_entertainment/detail.php?title_id=4245/–
ダークナイト 感想
映画の内容そのものも、単なる犯罪との戦いではなく、様々な倫理哲学的苦悩と風刺があるので、映画の内容を十分に理解したければ、ある程度は基盤知識が必要です。
映画では、自分の安危を最優先する計算が衝突して、共倒れする事なく、正反対で両者とも自分の犠牲を選び、最善の結果を出したのです。
この映画の興行成績
スーパーヒーロージャンルを超えて、2000年代の映画界を代表する傑作の一つとして、高い評価を得ています。”ダークナイト”がスーパーヒーロー映画産業のみならず、世界中の映画界に与えた影響力は甚大です。同時に、マーブルシネマティックユニバースというスーパーヒーロー映画の全盛期が始まる前に、既に10億ドルを達成するなど、興行力も高いほうでした。
アメリカの総合批評サイトRotten Tomatoes評点で100%を達成するなど、大変良い評価を受けています。複数の媒体のレビュー点数を合算するRotten Tomatoesのシステム上、100%のものが出るのは大変難しいです。大体、94%で最上位にランクされています。公開当初は、IMDBランキングで9.6を獲得し、”ゴッドファーザー”(1972)や”ショーシャンクの空に”(1995)を抜き、圧倒的な1位を記録した事もあります。10年近く経った現在も、9.0点で最上位圏を維持しており、9.2点の”ショーシャンクの空に”(1995)と、9.2点の”ゴッドファーザー PART II”(1975)、9.0点の”ゴッドファーザー(1972)”と同点で、4位になっています。21世紀封切り作の中では、1位です。”ロード·オブ·ザ·リング/王の帰還”(2003)と共に、ツートップを走っています。
ティム·バートン監督は以前、ジャック·ニコルソンが演じる”バットマン”(1989)を撮ったが、”ダークナイト”を見て、「バットマンはクリストファー·ノーランのダークナイトと比べるとそれ程暗くない」と語りました。
ポール·トーマス·アンダーソン監督も”ダークナイト”のファンであり、「自分も”ダークナイト”のような映画を撮りたい」と話しました。
“007 スカイフォール”(2012)のサム·メンデス監督も、「自分の007が”ダークナイト”の影響を大きく受けた」と言及しました。
ここまでは公の場で言及された情報で、その他にも公開当時の同僚監督の賛辞や、以後登場した深刻なブロックバスター映画に与えた影響は数え切れない程です。監督自身が影響を受けたと言わなくても、”ダークナイト”という映画自体が一つの基準になった程です。
総合的に、スーパーヒーロー映画界の空前絶後の名作という評価が多いです。これまでも、この作品に比肩されるヒーロー映画は、”スパイダーマン2”(2004)、”Mr.インクレディブル”(2004)、”スパイダーマン:スパイダーバース”(2018)、そしてMCUの中でも、最高の評価を受けるいくつかの映画だけです。もちろん、該当作品の目指す所が違うので、直接的な比較は不可能です。
あまりにも大きなインパクトを残した映画なので、この映画一つがハリウッドスーパーヒーロー映画版を変えたと言っても間違いないです。ジョーカーというキャラクターは、”ダークナイト”のジョーカーが模範となり、<愉快なジョーカー>というキャラクターがなかなか登場せず、このジョーカーをモチーフに、狂気に狂った我流ヴィラン達が登場したりもし、”ダークナイト”以降、暫くスーパーヒーロー映画のパラダイムが、愉快な娯楽性映画から英雄のアイデンティティと正義を論じるスタイルに変わって来ました。
バットマンとトゥーフェイス、そしてジョーカーの三角構図と善悪の葛藤
映画の対立構図は、映画を理解する上で、最も大きな軸を担っています。簡単に見ると、映画の対立構図はバットマンであるブルース·ウェインとゴッサム·シティの剣士ハービー·デント、そしてこれに立ち向かうジョーカーと見る事が出来るが、全体的に、また序盤からバットマンとトゥーフェイス、そしてジョーカー、の三角構図で表れます。
特に、ジョーカーを演じたヒース·レジャーの演技力が、あまりにもずば抜けており、全ての焦点がジョーカーに向けられ、序盤からのバットマンとハービー·デントの対称が上手く生かされないが、序盤からジョーカーの登場まで、バットマンの全ての関心事と対称点はハービー·デントでした。ハービー·デント自体も、二重性を持っています。
犯罪と悪に、対抗出来るという希望を与える為のバットマンの行動は、市民に<悪に暴力で対応する>という歪んだ価値観に変質し、その結果、自分のように犯罪と対立する偽バットマンが登場します。自分のやり方に疑問を抱くようになったブルース·ウェインの前には、正当な善で悪を懲罰するハービー·デントが現れます。それに、自分が恋慕していたレイチェルの恋人になりました。ゴッサム·シティの市民に心から希望を与え、心から正義を行い、共に自分が恋慕していた恋人でもあるハービー·デントは、自分が持っていない全ての物を持って、その対極にいる光の騎士(Shining Knight)であり、バットマンには一種のオマージュでもあります。
特に、二人の間にはいつもレイチェルがはまるが、前編で「バットマンを辞める時、本当の恋人になって」という約束からバットマンも、あんなに自由であったり後ろめたりしていない事が露わになります。確かにシーンが繋がっていて、連続的に見えるので、簡単にキャッチ出来ない事もあるが、アルフレッドが指摘したように、バットマンが初期からハービー·デントにこだわった理由は、ただハービー·デントだけが理由ではありませんでした。
何故か、バットマンがハービー·デントを監察するカメラにはレイチェルが写り、ハービー·デントとレイチェルがデートするレストランには、バットマンも登場します。バットマンをやめて、真の光の騎士にバットマンが代表していた希望のメッセージと悪の懲罰者を譲るというのは、明らかに大きな大義だが、実は美しいとは言えないバットマンの決定と心情を代弁するシーンが、後援パーティーのシーンです。レイチェルが指摘したように、本当に惜しみなく後援しようとしたが、皮肉な本性が現われたその状況で、バットマンは再びレイチェルに婚約が有効かどうかを確認します。
悪人に稲妻と天罰を与え、善人に福を与える絶対者ではない人間ヒーローの限界です。そんなバットマンの限界を、ジョーカーも確認します。レイチェルに対する執着、いや愛という感情を確信したジョーカーは、バットマンにハービー·デントとレイチェルの二者択一を強要しました。
そして、果てしない混沌でゴッサム·シティ全体を揺さぶったジョーカーの影響は、バットマンにも転移するが、果てしなくハービー·デントに置き換えられる大義とレイチェルという個人で、バットマンはレイチェルを選択して大義が崩れる姿を見せ、映画は混沌の果てを走る事になります。
そして、自分の前に一方的に現れた大義と強制的に放棄された個人の価値から、二人の男性は劇的に置き換えられ、その対称が大きく表れます。2人ともレイチェルが自分を選んだと信じ、その死に苦しむが、バットマンはハービー·デントの悲しみに共感し、自分の悲しみを昇華して、真の英雄に生まれ変わる反面、悲しみに狂って堕落したハービー·デントは、結局その狂気を皆に向ける怪物になります。同じ線上に置かれた2人のヒーローは、はっきりと対極点を持ち、明確な対立関係を表出します。
逆にハービー·デントにとって、バットマンは真の正義で表現される希望であり、遂に自分が守るべき価値のようでした。バットマンは、ハービー·デントにとって一種の指標でした。事実上、バットマンとハービー·デントの2人は序盤から中盤まで、お互いに果てしなく、追いかけて来たと言えます。もう一つ足すと、足りない部分または、ない部分を埋め合わせる共存の形です。
事実上、この映画で現われる善と悪の葛藤は、<バットマン>と<ジョーカー>に圧縮されるようだが、これは、<ジョーカー>役を演じるヒース·レジャーの演技が、映画全体を掌握する程際立っているからです。むしろ善悪のメッセージは、闇の騎士(Dark Knight)と対照的な光の騎士(Shining Knight)の関係で、更に際立っています。
絶対悪、または混沌と無秩序に代表されるジョーカーは、バットマンとゴッサム·シティ市民の葛藤、バットマン内部のレイチェルとハービー·デントの葛藤、病院事態における市民の葛藤、船舶搭乗者間の葛藤などに代表される、あらゆる葛藤の引き金に近いです。ただ、それらが集約された人物として表出されると、その立地と対称が際立っているといえるでしょう。そこに、見事な演技を浴びせかけて、キャラクターが一人でそこそこ飛び出して行ったのです。
ただ、善と悪という葛藤の時点で、バットマンとジョーカーの対立を主な対立と見て、その二人の力比べが表出したのが、ハービー·デントと見る観点も間違っていませんでした。このように見る視点が、<善に対する葛藤>と<極悪>の対立。善悪でない善そのものに対する疑念と解釈で、接近しているのです。
善と悪の中心で混沌とするバットマンに、絶対悪人ジョーカーが現れ、そのジョーカーの対称点として、ハービー·デントを提示するバットマンにとって、ジョーカーはバットマンに善と悪を延々と引きつけ、両地域の間の灰色地域を圧迫します。善と悪とはどれ程違うのか、かけ離れているものです。その質問に対し、ジョーカーは善と悪を最後まで向き合い、その間のバットマンに悪に対する堕落と善のすぐ裏で、ハービー·デントを提示する展開という観点です。
ハービー·デント
“ダークナイト”のもう一つの核心は、トゥーフェイスだといえます。アーロン·エッカートは、デビュー以来、熱心にフィルモグラフィを積み上げて来たが、”ダークナイト”のツーフェイスで、更に最も馴染み深い俳優の一人になりました。本作は、彼の出演作の中で最も高い映画で、ハービー·デントの歪んだ正義感を正確に表現しながら、ハービー·デント=トゥーフェイスのキャラクターを完璧に演じました。
初期の彼の作品の中では、”エリン·ブロコビッチ”(2000)や”ザ·コア”(2003)などが、馴染み深いと思います。”エリン·ブロコビッチ”(2000)では、ジョージを務めて映画中に活躍するが、ぼうぼうとした髭の為、見分けられなかったかも知れません。また、”エンド·オブ·ホワイトハウス”(2013)や”ミッドウェイ”(2019)、”ハドソン川の奇跡”(2016)のような感動的なドラマを行き交いながら、今でも映画という世界で健闘しています。
ハービー·デントは、ゴッサム·シティに新たに赴任した検事長(District Attorney)でした。彼は、腐敗した権力とマフィアが勢力を得て、不穏な気運に満ちたゴッサム·シティで、巨大悪を撲滅する正義の表象になろうとしました。
彼は、犯罪組織員の多くを特別法に基づいてむやみに起訴し、巨悪撲滅という課題を合法的手段だけを利用しながらも、成し遂げる事が出来るという希望を示しました。腐る所に腐ったゴッサム·シティが、検事長の意志一つで浄化されそうに見えました。
彼はまるで、ジョン·F·ケネディを連想させるように、夜明け前の夜明けが最も暗く、感動的な演説もしました。ゴッサム·シティを垂らした不正な機運が、結局、彼の正義感と情熱から抜け出しそうに見えた瞬間でした。
映画の主人公であるブルース·ウェインも、このようなハービー·デントを通じて、ゴッサム·シティが正義を見出すと信じていたのです。自分の武器であるダークナイト(Dark Knight)、即ちバットマンがいなくても、ゴッサム·シティは正しくなるという希望を持つようになります。ブルース·ウェインに、ハービー·デントはダークナイトとは違って、暴力とトリックを使わず、手続き的正当性を守りながら、ゴッサム·シティを正す事が出来る事を示す兆候でした。いわゆる、<ホワイトナイト>(White Knight)>の誕生です。
しかし、ジョーカーが見るハービー·デントは違っていました。ジョーカーは、徹底的な性悪説に基づいて、ハービー·デントも貪欲で権力を追求る人間であり、自分の私益がかかっている問題なら、いつでも悪人になりうると考え、彼を調整しようとしています。
ジョーカーは、「狂気は重力(gravity)のようで、わずかに押せば(little push)流されるようになっている」と言います。このような考えの下、彼は様々なワナを作ってハービー·デントの婚約者レイチェルを死に至らしめ、ハービー·デント自身には、左顔の皮膚が燃やされて、骨や筋肉が見え隠れする程の火傷を負うのです。この時、両面が前面だったコインの片面が真っ黒に焼かれ、裏表面が出来るようになるのです。この点が、従来のトゥーフェイスと最大の違いです。両面が表であったハービー·デントは、二重の面が内在してはいるものの、理性と道徳でそれを適切に抑えていた理想的な社会の姿でした。
結局、ハービー·デントは自分を、このようにぼろぼろにした者に対する極端な怒り心を抱くようになり、自ら彼らを殺人で懲らしめる悪党になってしまいます。バットマンシリーズのもう一つのキャラクターである、<トゥー·フェイス(Two Face)>が誕生する過程です。
ジョーカーによって、レイチェルを失った後にはその理性や道徳が崩れ、裏面=正義に対する不信や不条理、幻滅が生じ、病院でジョーカーの口車に乗り、結局、裏面を選択=堕落しては自分をこのようにした警察側の2人の裏切り者やギャングのボス、バットマン、ジム·ゴードン警部補、最後は自分を私的に審判したのです。
銅貨は、彼の善と悪の人格を象徴するものではなく、確率を象徴するもので、彼自らが言うには世の中は残忍です。この残忍な世界で、唯一の倫理は運=確率しかないんです。偏頗的ではありません。偏見がありません。公平だから。
結局、複数の対象を相手に、コインで一つ二つとも審判と許しを請うが、バットマンによって墜落し、バットマンが彼の堕落を秘密にする為に、自ら彼の罪を全て被る事になり、結局ハービー·デントは悪党ツーフェイスではなく、ゴッサム·シティの英雄で、あり光る騎士ShiningKnightとして、掲げられました。
バットマンは、闇の騎士Dark Knightとして、残りながらです。映画初盤に、ハービー·デントが言った「ヒーローで死んだり、悪党になった自分自身と向き合う程生きたり」を、身を持って見せる部分です。
トゥーフェイスのコインの役割は、二つに相反する人格のうち主導権を握った方が、どちらかを示すスイッチのような存在です。しかし”ダークナイト”では、トゥーフェイスになる前のハービー·デントは完璧に善く、真に正義のある人物として現れています。彼の持っている幸運のコインは前面は善良で、裏面は荒い行動をするという事をずっと明示しているが、実際、そのコインは裏面に刻まれた絵が同じなので、結局前面しかないのです。
それに、ゴッサム·シティの際の平和の為なら、自分の体一つ位は平気で仏事を辞さない人物です。バットマンですら、これから自分に代わるゴッサム·シティの真の英雄と評価しました。確かに、陰のバットマンがダークナイトなら、ここでのハービー·デントはまさに闇に染まっていない、暗い裏面そのものがない白騎士ホワイトナイトです。ジョーカーも、ハービー·デントの堕落をバットマンに話しながら「ゴッサム·シティの白騎士を我々の水準に引き下げた」と話していました。
映画”ダークナイト”を見ると、社会で正義の表象にでもなったかのようにおだてられた人ほど、偽善的人物(Two Face)になっていく可能性が高くなると考えるようになります。
いくら正義の象徴になった人物だとしても、自分の恋人、家族にかかわることに自由ではいられません。また、人は本質的に偏見を持っているが、全ての事項で不偏不党の判断をするとは期待しにくいです。
自分が正しいと思う心は、独り善がりを生むようになり、他の人の絶大な称賛は傲慢な落とし穴を作ります。結局、本質から外れた自分だけの世界を作っていくしかない地位になるでしょう。偽善の発火点は、ここにあります。
更に考えてみると、事実、社会の正義を正す過程では必須的に権力が必要なのに、この権力をこれ程、傲慢で偽善的な人物に与える事は、とても不安定です。
巨悪撲滅という巨大な課題の為に、象徴的な一人の人物に絶対権力を後回しにしたが、彼が自分に与えられた力を基に、<選択的正義>を行使する事を、どうやって防ぐ事が出来るでしょうか。
いくら正義を象徴する者だとしても、私益の前に置かれた絶対権力は絶対的に腐敗します。こうした現象を防ぐには、シャルル=ルイ·ド·モンテスキューのような思想家の洞察のように、権力間のけん制と均衡だけが求められます。誰かに、または特定勢力に、正義というブランドを独占させてはいけません。
結局、ゴッサム·シティのホワイトナイトは、堕落したトゥーフェイスになってしまいました。
バットマンは、ジョーカーの攻撃にも関わらず、自分の本質を守り抜いたが、結局バットマンが信じたハービー·デントの善良な面は崩壊してしまいます。”バットマン フォーエヴァー”(1995)にも出演していたが、”ダークナイト”にトゥーフェイスが出るという決定が下された時には、あまり歓迎されませんでした。
何故なら、”バットマン フォーエヴァー”(1995)のトゥーフェイスは、あまりキャラクターを生かせず、ただ狂人に過ぎなかった深さのないキャラクターだったからです。しかし、”ダークナイト”では、見事な再解釈で<トゥーフェイス>というキャラクターを、ゴッサム·シティの必要な悪であり、バットマンと深い結びついたキャラクターで構築しました。
ゴッサム·シティには、善良な英雄が必要です。バットマンが、トゥーフェイスの罪を被った理由です。
ハービー·デントが堕落した後に犯した悪事をありのままに発表してしまうと、<ゴッサム·シティで最も正義で勇敢な存在がジョーカーによって堕落し、悪人になってしまった>という事実上、ジョーカーの勝利をゴッサムシティの市民が知る事になるからです。
また、道徳性やその他犯罪に関わった検事が求刑した裁判は控訴が可能になり、今まで握っていた犯罪者が大量に釈放される事が出来るからでもあります。そうなると、ゴッサム·シティは敗北感と混乱に襲われ、これ以上更生出来ないと判断したバットマンが、自ら汚名を着せられたのです。
バットマンが自分の犠牲を通じて、単純に犯罪者を殴る<自警団>ではなく、<ゴッサム·シティの守護者>に生まれ変わる一面でもあります。ダークヒーローであるバットマンだからこそ出来る、最もバットマンらしい結末だと言えます。
これが分かるのが、映画の後半部にジョーカーの罠にはまった2人の遊覧船の乗客達で、彼らは社会の裏表(一般人と犯罪者)を象徴します。しかし、彼らはトゥーフェイスのように裏表のうち一つを直接選ぶよりも、選択を拒否して崩れた法と秩序、すなわち堕落する以前のハービー·デントに頼ります。彼らは、ハービー·デントのように裏を選んで、堕落していないのです。
ジョーカー
DCコミックス原作の中のバットマンの事を考えると、当然スーパーマンが思い出されるが、この映画の登場後は、<ジョーカー>がうきうきする程、存在感がはっきりしていました。主人公はバットマンだが、何故ジョーカーの方が強烈だったのか演技力なのか、それともキャラクター特性なのかよく分かりません。しかしこの映画が、2時間30分程度の映画を観るのに、退屈とは一度もありませんでした。全ての場面の一つ一つが、とても面白かったです。
バットマンシリーズ史上、最も危険な悪党ジョーカーは究極的な悪党の典型で、バットマン同様アイコン的な人物です。無政府主義者として、混乱の力を信じる何の目的もない犯罪者である彼は追求する所もなく、だからこそ、行動を推し量る事が出来ません。殺人本能を発散する事に、この上ない快感を感じます。
善と悪は、コインの両面のように簡単に覆される事があるというジョーカーの論理のように、こうした倫理的質問を、映画は権力を持った者と権力を渇望する者の大力様相で描き出しています。
“ダークナイト”はジョーカーの初登場から、彼が尋常なヴィランではないような気がします。そして、ある目的のない悪党は、目的がある悪党よりも怖いという事を、ジョーカーを通じて伝えているようです。
映画を見ながら、<ジョーカーが悪いからなくさないと>って思うよりは、<怖い。このまま避けたほうがいい>という気がします。純粋な悪と言いましょうか。動機や事情がないまま、悪い事をするから、こんな気がしたんです。
そのせいか、ダークナイトを見ながら、バットマンよりジョーカーの存在感がもっと現われ、ヒース·レジャーの死亡ニュースが、映画を見る上で、影響を及ぼしたようです。
ジョーカー役を演じながら、あまりにも没入していたら、精神的にもダメージを受ける事が出来ないわけがないという気がしました。それで、化粧の後に隠されたジョーカーの姿は悪辣ではなく、苦痛だったのではないかと思います。
ジョーカーは、原作の<真意の分からない狂人>で、人間世界のあらゆる真剣な価値を嘲笑する、甚だしくは自分自身が死ぬ事さえ、笑い物にする混沌の化身として描かれています。
バットマンが信じる価値である正義と炎を壊す為に、あらゆる手を打つが、特にバットマンが正面からバットフォードに打ってしまう勢いで猛烈に突進すると、早く殺してみなさいと荒々しく叫ぶ場面は、そのような構図を最も確実に見せ、最後の場面では本人が死ぬ状況であるにも関わらず、心から喜びながら狂騒します。
また、警察署で「お前が僕を完成させなさい」と言うシーンや、結局自分を感情的にぶん殴るバットマンを見て、かえってあざ笑うシーンなどは、こういう個性をよりリアルに作り出しています。
特に、「君が私を完成させる」というジョーカーの言葉は反対にも適用されるが、ジョーカーは、ハービー·デントとレイチェルの位置を、バットマンに反対に言います。バットマンは、ブルース·ウェインとしてレイチェルを選択したが、結果的にはバットマンとして、ゴッサム·シティの正義を象徴するハービー·デントを求める事になります。
つまり、ジョーカーの秀作によって、バットマンはゴッサム·シティの一般市民であるブルース·ウェインではなく、夜の自警団であり英雄バットマンに仕上がるという構図になるのです。
”ダークナイト”の象徴であるジョーカーには、ヒース·レジャーが熱演しました。元々、ヒース·レジャーといえば、青春らしいイメージが強かった時代があります。
事実、ジョーカー役のヒース·レジャーが初めて発表された時は、軽いロマンス物や”ブロークバック·マウンテン”(2006)といった映画で、ソフトなイメージで登場したヒース·レジャーが、ジョーカーを成功裏に演じる筈がないという反発が強かったのです。しかし、このような不安感は、映画の予告編が発表されてから完全になくなり、むしろジョーカーの鬼気とキャラクターが、バットマンをしのぐと見る人も多いです。
面白い事に、かつて、ティム·バートンが”バットマン”(1989)を製作した当時もこのような議論があったが、他ならぬバットマン役を演じたマイケル·キートンがキャスティングされた時だったのです。ジョーカー役を演じたジャック·ニコルソンは、狂気のこもった演技で既に知られていたが、キートンはコメディアンのイメージが強かった為で、ティム·バートンとは近い過去に”ビートルジュース”(1988)で、コミックなキャラクターに扮して、一緒に作業したことがあるからだったのです。
どうしてこんなに、作品毎に全く違う人になれるでしょうか。バットマンよりは、ジョーカーの方が目立ったが、有名な台詞の「Why so serious」だけでなく、ずっとハハハに狂ったように笑うのも、舌で唇をなめたり舌をなめたりする行動などのディテールまで凄まじいです。シナリオの中で、表現されたキャラクターを立体的に作るのは大変な事です。
希代の悪魔ジョーカー、今や伝説として、記憶される故ヒース·レジャーのメソッド演技が見たいなら、”ダークナイト”です。
しかし彼は、映画”Dr.パルナサスの鏡”(2010)の撮影中に、薬物誤用で亡くなってしまいました。2017年のドキュメンタリー”I AM ヒース·レジャー”で、彼の一生と演技への情熱を、振り返る事が出来ます。
–震えるジョーカーに扮したヒース·レジャーの裏話–
ビハインドストーリー1.ジョーカーの日記
ヒース·レジャーは、ジョーカー役に打ち込む為に、ジョーカー日記をつけて、常に持ち歩いていたそうです。メイクアップアーティストによると、その日記にはおぞましいニュースや絵、その他にもぞっとするような内容が含まれていたそうです。彼が、撮影最終日に書いた日記には、「bye bye」と書かれていたそうです。
ビハインドストーリー2.口に唾をかける理由
ジョーカーは、特有の口調と行動で多くの人々に、強烈な印象を植え付けました。
特に、ジョーカーが話していた時、舌を出したり、舌を出したりする行動をよく覚えているでしょう。これは事実、ジョーカーの傷跡の扮装は一度落ちると長い時間がかかる為、ヒース·レジャーが扮装されないように、口の周辺に唾をつけて演技をしたといいます。
ビハインドストーリー3.ジョーカーの警告映像
映画の中で、ジョーカーがゴッサム·シティケーブルニュース(GCN)に送った二つのビデオは、ヒース·レジャーが、直接演出した場面だそうです。一番目の市民バットマンを人質に取って、バットマンを脅迫するビデオは、クリストファー·ノーラン監督がヒースレジャーがとても上手だと感じ、二番目のバスでリポーターを人質に取るビデオは、全てヒース·レジャーに任せ、その映像に非常に満足したそうです。
改めて見ると、画面には見えませんが、人質が拷問を受けて悲鳴を上げる声が、本当に恐ろしいです。
ビハインドストーリー4.キャラクター研究
ヒース·レジャーは、ジョーカー役に完全に打ち込んで、メソッド演技を披露しました。実際に彼は、ジョーカーキャラクター研究の為に6週間、部屋で1人暮らしをしたそうです。このような努力により、スクリーンの中で私達が向き合ったヒース·レジャーは、完全なジョーカーに変身し、身の毛がよだつ演技を見る事が出来たのでしょう。
ビハインドストーリー 5.ジョーカーのテーマ曲
ジョーカーのテーマ曲である<Why soserious>は、たった2つのコード、DとCで作曲され、これは映画の原作であるDCコミックスを意味するそうです。
知れば知る程、面白いダークナイトのビハインドストーリー。
後半部で、病院の爆破シーンはレジャーのアドリブだという噂があるが、実は、監督の緻密な演出的計算と10回以上繰り返されたリハーサルの下で、撮影されたシーンでした。本物の建物を壊したので、二度と撮れない場面でした。しかし撮影前日、病院の窓を1階のみ残し、全部盗まれる事がありました。結局、爆破は本当にして窓のオブジェクトの一部だけを、CG処理しました。CGに夢中になって驚いた人には、かなり惜しい事だったようです。
マイケル·ケインは、「ジョーカーがバットマンを詐称する者を捕まえ、録画したビデオがテレビに放映されるのをクリスチャン·ベールと一緒に見る場面で、彼の演技を初めて見た」といいます。小さなテレビ画面で、彼の演技を見る時も驚かされたが、パーティー会場に乱入するシーンで、初めて実際に彼の演技と台詞を聞くようになり、とても感嘆したといいます。
圧倒的な演技を見せてくれたヒース·レジャーも、相手役に押されるシーンがあります。それは、ジム·ゴードン警部補役を演じたゲイリー·オールドマンと演技した時です。監督によると、ヒース·レジャーが現場で、ゲイリー·オールドマンとの演技に負担を感じたようで、ちょっとの練りの時間が必要だったそうです。
やはり、大先輩であるゲイリー·オールドマンには、適わないでしょう。
この映画の注目すべきポイント
バットマンの声は、クリスチャン·ベールが直接声を変えながら、演技しなければならず、その為、声だけが3回出ていった前作と違い、今回の作品では声の変調を編集過程で処理したが、序盤にバットマンとジム·ゴードン警部補が、銀行で談笑を交わす場面で、ミスでジム·ゴードン警部補の声まで変えてしまったようです。よく聞けば、ジム·ゴードン警部補の非常に甲高い声を聞く事が出来ます。このミスは、メディア版でも修正されず、そのまま収録されています。
バットスーツは、今までとは違って、首を回すなどの動き(作中の内容では首が回らないので直して貰う)が、可能になっています。”バットマン ビギンズ”(2005)時には、15分間ねじを回さないと扮装出来なかったのに対し、ここでは俳優一人でも着られるようになったといいます。チタン製のパッドが付いたという設定で、仮面はそのまま剥がそうとすると、電気ショックを与える機能があります。
ただ、パッドを付けていない脇腹のような部分は、猫が食いつくくらいしか防御出来ないというようです。腕の甲パッドには、ワンタッチで飛び出し発射も可能な刃が装着され、最終的な危機回避が出来ました。
バットマンのスーツは、革靴やコスチュームではなく実写用の鎧です。ブルーレイやDVDに収録されたスペシャルピッチャーを参考にすると、伸縮性のある織物に11枚の保護板を被せたそうです。この保護板の一部は、セラミック防弾チョッキの材料に使われるセラミック板に、特殊合成樹脂を貼り付けたもので、映画ではフォックスが<防弾チタンパッド>と紹介します。
”バットマン ビギンズ”(2005)当時製作されたバットスーツも、防弾繊維のケブラーに、消防服として使用されるノーメックス繊維を組み合わせたものとされています。
一方、劇の後半部のフェリー人質事件で見せた市民と犯罪者の間の葛藤も、注目すべき点です。結局両者とも、爆弾スイッチを押さない結末に繋がったが、その過程には違いがあります。
投票では、スイッチを押そうという意見が圧倒的に多かったが、皮肉な事に、市民がまだ生きているという事実そのものが、犯罪者が爆弾スイッチを押していない事を意味する為、誰も良心的に乗り出して、スイッチを押す事が出来なかったのです。
これに対して、最初からスイッチを押そうと主張した男が、「手を汚したくないからではないのか」と言って、自分が爆弾を起爆させようとしたが、彼もやはり起爆させる事を諦めて、爆弾を下ろしたまま席に戻ります。つまり、市民側では決定的な瞬間に良心のお陰で、超えてはならない線を越えず、お陰で、ジョーカーに飴を飲ませたのです。
一方、犯罪者らは犯罪者通り大騒ぎしている中、片隅で静かにしていた黒人囚人が看守に近付き、「あなたが10分前に下すべき判断を下す。上には強奪されたと言いなさい」とスイッチを押すように言い、持って行くと、躊躇うことなく窓の外に放り投げてしまう。これを見た他の囚人達は、暫く虚しさを感じていたが、自分達の運命を受け入れます。これは、作中の序盤に頭取がある犯罪者にも、それなりに守らなければならない道徳と信条があるという言葉を、立派に証明したものと言えるでしょう。
そして、ジョーカーとバットマンが向き合って、5分間会話するシーンがあるが、この場面でジョーカーがいかに危険なヴィランかを示します。
他の映画のヴィランを見ると、あからさまにヒーローを打ったり、計画が狂うと戸惑いながら、自滅する場面が実に多いのに対して、ジョーカーは最後まで、バットマンを玩具扱いして、子供みたいにもて遊びました。ジョーカーに、望むものはありません。ただ、バットマンと遊ぶのが好きで、そして自分が証明したい事、堕落する事を見せたがっています。それ以外に、お金か権力か、それらも全部必要ありません。そんな独特な彼だから、どんな脅しも効きません。
「君は、僕を脅す程の才能がない 」
ジョーカーは、バットマンの心理を、完全に読みふけっています。つまり、バットマンは人を殺さない。しかし、ジョーカーを止める方法は殺す方法だけ。となると、バットマンは自分のルールを破ってしまうので、この場合も、ジョーカーの勝利になります。
実は、ジョーカーの話を聞いていると、つい頷いてしまいます。彼は、人間の本性を、あまりにもよく理解しているのです。結局、ジョーカーの言葉通りに、トゥーフェイスは最高の正義から最悪の堕落へと転落し、死亡することになります。ハービー·デントがしでかしたことは、ジム·ゴードン警部補とバットマンが秘密に隠します。
第3作”ダークナイト ライジング”(2012)で見ると、このハービー·デント事件の真実が明らかになり、世の中は混乱に陥ります。結局は、ジョーカーが第3作まで続いた訳です。
ハービー·デントが人を殺し、正義を守らないが、彼が殴り込んだ囚人達が認められるでしょうか。当然、釈放されるしかありません。ハービー·デント、ジム·ゴードン警部補、バットマンは信頼を失わず、何とかジョーカーと戦いました。しかし結局、ジョーカーはあざ笑うかのように、全てを堕落させてしまいました。
バットマンも映画の中で、何度も諦めて自首しようとしたのです。ジム·ゴードン警部補は、第3作でハービー·デントの事件を隠した首謀者として、非難されます。
映画では、ジョーカーがゴッサム·シティの市民を対象にした実験がよくあります。結局、市民まで警察、検察、司法裁判の全てが、台無しになりました。
ジョーカーが見せてくれたパフォーマンスは、過ごす訳にはいかないという事が、今の人々の現実を見せる、本性を見せる、人がどれ程、利己的で堕落した存在かを示すものです。
何が善で、悪なのか。
ゴッサム·シティの古いマフィアさえも、ジョーカーは度が過ぎると、警察を助ける程だから。
ジョーカー=混沌そのもの。
犯罪を犯すにあたって、誰よりも徹底的かつ完璧な計画を立てて実行します。
ただ、むやみにするのではなく、バットマンとゴッサム·シティ警察がどうする事も出来ない、完璧な計画をジョーカーは実行したのです。
ジョーカーが、善人として出て来たら、心理カウンセラーとしての名誉を得るでしょう。
彼は、人の心理を、完全に見抜いているのですから。
ダークナイトまとめ
この映画を4回以上は見た気がするが、映画を分析しようとするよりは、ストーリーにはまって、ずっと見ていた気がします。
本映画をまた見ても、新しく感じられるディテールな演技も見えました。見れば見る程、最初の化粧が完璧だった姿から、次第に化粧がはがれていく姿を目にした時、より狂気のある演技をするポイントが見えて来ました。
そして選択し続けながら、苦痛を与えようとする姿が記憶に残っています。
人生は選択の連続だが、”ダークナイト”での選択は、本人がするが選択肢は二つしかない..そのうちの1つを選ぶと、残りの1つは次善ではなく、最悪を経験させる選択肢を与えながら、選ぶようにします。
それに比べて、ハービー·デントは元々善良な役だったが、後には小銭で他人の生命を任せる感じでした。バットマンは、それに反して、ずっと善と悪の間を行ったり来たりして、苦悩する姿を描いていたようです。その為か、人物が表現しようとする意味になるように、哲学的な感じも受けました。
映画を見ながら、ストーリーと人物だけを考えながら見ていたが、振り返ってみると、このような意図で映画を作ったと思います。
“アベンジャーズ”(2012)みたいな映画を見ると、ヴィランはいつも罰を受けて終わるなど、そんな風に終わり、ハッピーな結末を見たのだが、この映画は、むしろヒーローが隠れなければならない状況になってしまって、終わったので、更に余韻が残ったようです。それも、人々が尊敬する人を殺した悪党に終わってしまうからです。
単純に、映画を振り返るというより、現在起きている社会での事と関連付けてみると面白いです。この社会で、バットマンは誰で、ハービー·デントは誰で、ジョーカーは誰でしょうか。この映画を、ご覧になった方がいるなら、一度考えてみるのも良いと思います。
そして映画を見ながら、私だったら、どうしただろうかと思ったのは、最後にジョーカーが罠に掛けた二つの船に乗った者同士で、自分が生き残る為にはスイッチを押さなければならない状況にあった時、どうしたんだろうと思いました。映画では、人の善良な姿を表現したのに、実際の状況だったら分かりませんよね??
こういう面白いことを、考えた映画でした。
映画は、終始暗い雰囲気です。ところで、その暗鬱さの中でも、人間に与えられる希望を見せたら、むしろ、その光が明るく見える映画です。
今まで見た悪役の中で、一番魅力的なキャラクター。”ダークナイト”は、ヒース·レジャー=ジョーカーの完勝です。
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